株の大暴落時に投資家はいかに対応すべきか

リーマンショック級の下げ
今月に入り、コロナショックで相場が大荒れです。
人間というのは、後悔の動物で、なぜあそこで利確しなかったのかと自分を責めてしまいがちですが、そんなこと考えても仕方ありませんし、精神衛生上もよくありません。
米国の代表的な指数であるS&P500を直近で3,386ドルから2,480ドルまで急降下しました。30%に迫る下落です。
(出典:Bloomberg)
これだけの下げはリーマンショック以来です。
リーマンショックの時はまだ働き出したばかりで、株も投資信託もやっていなかったので、なんだか大変なことが起きたな〜と傍観していましたが、今回は損を被っている当事者なので、あまりいい気分はしません。
ただ、良いか悪いかは置いて、仮想通貨の超絶ボラティリティ地獄を味わっているので、30%近い下げといっても、正直動じていません。
評価益は幻ですが、評価損も幻です。
不安な方は直近5年のS&P500の価格の推移を見てください。
(出典:Bloomberg)
如何にこの数年アメリカ株が騰がり続けていたかということがわかると思います。
約二年前の水準まで戻しただけと考えれば、少し気が楽になるのではないでしょうか。
暴落相場でもマイルールに従って淡々と
ツイッターなどを見ていると、まさに暴落相場における阿鼻叫喚にあふれており、とてもエキサイティングです。
「ここが底。全力で買い」とは「まだまだ下がる。鬼のショート」などの有象無象の書き込みであふれていて、何が正解なのか分かりません。というか分かる人なんてプロも含めていないのではないでしょうか。
では、暴落時に投資家はどのような投資スタンスを取るべきなのでしょうか?
今回の暴落はコロナウイルスの蔓延が引き金となりました。
コロナウイルスがこんなにも急速に広がることは最初は想像もつきませんでしたし、いつまで続くのかも分かりません。
逆に明日にも特効薬が開発されて、劇的に状況が改善されるかもしれません。
何が言いたいかというと、自分の思い込みに縛られて、普段と違うことや自分のキャパを超えるような投資行動をすることは避けた方がよいということです。
直近の相場から見た場合に、30%近く下げているわけですから、当然割安に見えますが、このようにマーケットのネジが外れたような場合では、往々にしてもっと下げるということもありえます。逆も然りです。
直近の金額と比べて”バーゲンセール”だと思って食いつくのは危険だと思いますし、まだまだ下がるという思い込みも危険です。
一番やってはいけないことは、借金をしたり、生活資金にまで手をつけたりして投資にオールインするようなことだと思います。自分のキャパシティを超える投資はあまりにリスキーです。
これは、仮想通貨投資に翻弄された私自身の経験に基づくアドバイスです。
2018年にビットコインが200万円を超える価値をつけたあと、100万円まで落ちてきたとき、私を含めた多くの人たちはバーゲンセールだといって飛びつきました。
多額の金額をビットコインに投資した知り合いもたくさんいました。
しかし、その後ビットコインはみるみるうちに価値が下がり、30万円台にまで価格が落ちました。
現物取引ならまだしも、その下げ相場で信用取引をしたような人たちがどうなったか想像に難くありません。
私のような米国株中心の長期投資スタイルの人間は、毎月入ってくる収入を、いつもと変わらず淡々とルールに従って投資するだけです。
ドルコスト平均法はこのような暴落時にもちゃんと続けるからこそアウトパフォームするのです。
信用取引をしているような人や自分のキャパを超えて余裕資金を失っている人でない限りは、自分が決めたルールをビビらず遂行することだと思います。
ドルコスト平均法によって積立NISAを1年間続けた際の投資結果については、以下をご参照ください。
(参照記事)楽天バンガードでつみたてNISAを1年間続けた結果
歴史は証明する
株式市場は、過去100年以上に渡って、様々な困難に打ち勝ってきた歴史があります。
ここ40年の間にも、ドットコムバブル崩壊、リーマンショックといった歴史的暴落がありましたが、いずれも数年もすれば、何事もなかったかのように株価は回復しました。
(出典)世界経済のネタ帳
これが時間を見方につけるということです。
他人のお金を預かるファンドと異なり、個人投資家は景気後退局面においても”待つ”ことができる強みがあります。
暴落相場でもいつもと変わらず自分の決めたルールの中でルーティーンを行うことで種を蒔き続ければ、いつかまた来るであろうブル相場で花開くはずです。
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