インハウスロイヤー(社内弁護士)の実態 〜給与・待遇等〜

インハウスロイヤー(社内弁護士)の実態 〜給与・待遇等〜
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弁護士を目指す方・弁護士で転職を考えている方必見

 

インハウスロイヤー(社内弁護士)は、まだまだ一般的に認知の低い職業ですよね。

 

私は、7年間弁護士事務所で弁護士として働き、アメリカ留学を経て、外資系の企業でインハウスロイヤーとなりました。

 

今回は、インハウスロイヤーがどんな仕事なのか、待遇や給与など私自身の経験も含めて記載して見たいと思います。

これから弁護士を目指す方や、弁護士で転職を考えている方には特に参考になるのではないかと思います。

 

インハウスロイヤーとは?

 

インハウスロイヤーとは、弁護士事務所ではなく、企業などに所属し企業の法務部で働く弁護士のことを言います。

 

弁護士事務所に所属する弁護士は、法人・個人を含むさまざまな顧客のために仕事をし、顧客からの報酬によって生計をたてます。

他方インハウスロイヤーは、基本的に所属する企業のためだけに働き、所属企業から給与を得ることで生計を立てます。

 

世間一般的には、弁護士事務所に所属し、毎日裁判所に行っているというのが、典型的な弁護士像だと思います。

インハウスロイヤーが裁判所に行くことは稀で、基本的には会社に通勤し、他の社員と同じようにデスクワークをすることがほとんどだと思います。

 

 

雇用形態の違い

 

弁護士事務所に所属する弁護士は、弁護士事務所との間で業務委託契約を締結することが多いです。

 

つまり、弁護士事務所に所属する弁護士は、労働契約(雇用契約)を締結するのではなく、業務委託を請け負っているという契約形態です。

したがって、弁護士事務所に所属する弁護士の給料は、年俸いくらというように固定されていることが多く、サラリーマンのように残業代はでません(ただし、稼働時間や成果に応じてボーナス額に差が出ることはあります)。

また、労働基準法によって守られた立場ではないため、どれだけ働こうが、労基署等からお咎めもありません。

 

他方、インハウスロイヤーは、基本的に会社と雇用契約を締結し、いわばサラリーマンとして企業に所属することが多いです。

したがって、労働時間等も制限を受けることになります。

 

特に大手の弁護士事務所に所属する弁護士が深夜まで働くことが多いのに対して、インハウスロイヤーはそれほど長時間働きません。人間的な生活を送ることができます。

 

 

給与の差は?

 

 

弁護士事務所に所属する弁護士は、一般的に長時間労働が多くなるので、報酬も多いです。

例えば、大手渉外事務所に所属する弁護士であれば、1年目から年収は1000万円を超えます

パートナークラスになれば、数千万〜億円を稼ぐ猛者までいます。

また、事務所の仕事以外に、個人受任ができる弁護士であれば、個人受任事件だけでも、結構稼げます(その分睡眠時間は減りますが)。

 

他方、インハウスロイヤーの給与は相対的に低くなりがちです。

個人受任も禁止されることが多く、アッパーサイドを狙うことも難しいです。

雇用契約という形で身分がある程度保証され、福利厚生などを享受している分、給与がある程度低くなることは致し方ないと言えます。

 

ただ、外資系企業で働くインハウスロイヤーであれば、給与は高い傾向にあります。

労働時間が短い割に、かなりの報酬を得ているインハウスロイヤーも多くいます。

 

感覚的にはなりますが、日系企業のインハウスロイヤーで年収1000万円を超えるケースはそれほど多くありませんが、外資系企業のインハウスロイヤーは大体年収1000万円以上は保証され、多いところだと年収2000万円を超えるケースも割とあるイメージです。

 

私の周りの例をみると、そのような外資系企業で働くインハウスロイヤーは、大手渉外事務所で数年働き、留学を経て日本に帰国後に、事務所を辞めて転職するパターンが多いように思います。

 

(参考記事)【体験談】外資系(法務)への転職で給料大幅アップ

 

インハウスロイヤーの仕事内容

 

インハウスロイヤーの主な仕事は、契約書などの書面のチェックと、社員から寄せられる法的質問に対する回答です。

ほぼこの作業で9割に達すると思います。

 

契約書のチェックも、法的質問への回答も、簡単なものであれば、社内で完結しますが、複雑な契約や、難解な法的アドバイスを要する場合には、お付き合いのある外部の法律事務所に作業を依頼することもあります。

インハウスロイヤーは、そのような場面で、外部の法律事務所との窓口としても稼働します。

 

法律事務所と違い、インハウスロイヤーの場合、文献やデータベースなどのリソースを利用する環境は整っていないことが多く、リサーチなどが必要なものについては、自身で捌くには限界があります。

ある意味で、自身で対応できるものと、外注するものの見極めが重要となります。

 

 

外資系企業のインハウスロイヤーの場合、これに加えて、海外の本社や支店のリーガルチームの一員として、本社や支店にいる弁護士に日本の法律に関して説明をしたり、報告を行ったりという作業が発生します。

高度な英語力とプレゼン力が求められるといえます。

 

 

外資系企業のインハウスロイヤーはオススメ

 

色々と書いてきましたが、弁護士事務所の弁護士も、外資系企業のインハウスロイヤーも、両方経験した私の経験では、外資系企業であれば、インハウスロイヤーはありだと思います。

 

長時間労働をさせられることもなく、高い給与が得られる可能性が高いからです。

法律事務所勤務時代は、毎日長時間働き、土日も仕事ということは珍しくありませんでした。

 

友人とご飯に行くような余裕もなく、精神的にも疲弊する状態でした。

心を病んで辞めていった同期や後輩もたくさんいました。

 

インハウスロイヤーでそのような働き方をしている弁護士は、私が知る限りいません。

人間的な生活がしたいなら、インハウスロイヤーはオススメです。

ただ、日系企業のインハウスロイヤーでは、給与が低すぎで、せっかく取得した弁護士資格に費やした時間とお金と比して、費用対効果が低すぎると思います。

 

そのため、目指すべきは外資系企業のインハウスロイヤーだと思います。

そうすると、若手のうちは、大手渉外事務所で修行して、留学などを経て、英語が堪能な状況で外資系企業に転職するというのが王道になるかと思います。

その方が、ヘッドハンターなどから声がかかりやすくなるためです。

 

以上、個人的な見解を述べましたが、ひとつの選択肢として、インハウスロイヤーというものがあるんだということを知っていただければ幸いです。

 

 

 

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