今は買い時ではない!私が不動産投資をやらない理由

不動産投資はレバレッジの効く魅力的な投資
近年、不動産に投資する個人投資家が増えてきました。
贈与税対策で都内の高級物件を買うような富裕層の投資家以外にも、サラリーマン大家のように、副業で不動産投資を行なっているような方もいます。
一部の例外を除いて、ほとんどの不動産投資家は、銀行等からローンを借りて不動産投資を行ないます。
そのため、不動産投資はレバレッジの効く魅力的な投資であるといえます。
少ない元手で不動産を購入し、家賃収入をさらに次の不動産投資の元手にするという作業を繰り返すことで、資産は雪だるま式に増えていきます。
不動産投資はうまくいけば、個人でも大きな資産を築くことが可能な投資であると言えます。
私も、レバレッジに魅力を感じ、不動産投資を行う機会を何年も伺ってきました。
しかしながら、現状不動産投資には手を出していません。
私が不動産投資を行なっていない理由は以下の4つです。
1.長期的な不動産価格の上昇が見込めない
2.不動産市場の利回りが低い
3.融資条件が悪い
4.案外手間がかかる
長期的な不動産価格の上昇が見込めない
みなさん、日本の歴史において不動産価格が一番高かった時期はいつかご存知ですか?
以下は、主な都市における住宅地の平均価格の推移ですが、一目瞭然、1987年〜1988年つまりバブルの絶頂期なのです。
(引用)国土交通省 主な都市における住宅地の「平均」価格の推移
30数年も前の住宅価格を未だに超えることができない日本。
不動産価格が上昇するという蓋然性が見込めません。
さらに人口減少時代を迎え、住宅地の空き家問題なども生じています。
このように、不動産投資を行なっても、売却の場面で価格が下落する可能性を考慮すると、不動産投資に手を出すには二の足を踏んでしまいます。
移民を積極的に受け入れたり、少子化対策が進めたりして、人口減少の流れが変わらない限り、不動産投資において投資環境がよいとは決して言えません。
不動産市場の利回りが低い
リーマンショック後、不動産価格が持ち直していることから、現状において不動産市場における利回りは全体的に低くなっており、投資の妙味が感じられません。
不動産検索サイトなどでは、簡易的なシミュレーション機能を提供していますが(例えば、楽待では、各不動産の紹介ページでキャッシュフローのシミュレーションができます。)、紹介されている不動産の多くは、キャッシュフローがマイナスになるような物件です。
家賃収入から諸経費、銀行への返済を差し引くとて残りが無いどころか持ち出しになってしまうことを意味します。
余程の掘り出しものに出会わないかぎり、東京近郊で不動産投資を行うことは至難の業です。
また、高い利回りを求めて地方の物件に手を出すこともリスクです。
東京・大阪などの大都市圏を除き、今後人口減少のスピードが早まり、不動産のニーズは確実に落ちます。
地方の物件を購入しても、稼働率を上げられなかったり、売却時に買い手がつかないという状況も予想されます。
融資条件が悪い
不動産投資を行う際に、最初にぶち当たる壁が銀行からの融資です。
不動産投資経験のない投資家には、りそな銀行や千葉銀行といった、不動産投資の業界では低金利で知られる優良行からの借り入れは、まず不可能です。
余程の金融資産がある方でなければ、投資を始める場合、不動産仲介業者などが紹介する、利率が3%を超えるような融資を受けて進めるほかありません。
私自身、仲介業者を介して銀行やノンバンクの融資提案を何度か受けましたが、どれも利率が高すぎました。また、それを取り繕うために、建物の法定耐用年数を超える融資期間を設定するものばかりでした。
一つの融資方法であることは理解できるものの、トータルで支払う利息や、法定耐用年数を超えた段階での売却の難易度を考えた場合、決して良い融資とは言えません。
自分の足で銀行を探し出すという方法もありますが、時間が非常にかかる作業となります。
案外手間がかかる
最後に、不動産投資は思っているよりも手間がかかります。
テナントとなる借主がいるのですから、クレームやトラブルはつきものです。
また、時間の経過によって、建物は劣化するため、定期的なメンテナンスや時には大規模修繕も必要になります。
そして、一番ストレスを感じるのは、テナントの退去通知といわれています。
退去の通知が来ると、大家さんは胃に穴が開くほど精神的なダメージを負うといいます。利回りに直結するからです。
世の中では、不動産投資で不労所得を得ようといった、魅力的なキャッチコピーがあふれていますが、決して楽して稼げる投資とは言い切れません。
もちろん、管理会社に委託することで、上記の作業の多くを省くことはできますが、ある程度の手間は覚悟する必要があります。
株式投資のように、ネットで購入して、放置しておけば配当収入が入っているといった不労所得とは全くの別物であることを覚悟する必要があります。
まとめ
以上のように、不動産投資は、非常にハードルの高い投資であると言えます。
もちろん、参入障壁が高い分、うまく軌道に乗せられれば大きな資産を得ることも可能ですが、ハイリスク・ハイリターン投資であることは覚悟が必要です。
そして、現在は不動産投資を始める時期としてタイミングが良いとは言えません。
リーマンショックのように、市場の価格均衡が完全に崩壊するようなクラッシュが起き、「不動産なんて怖くて買えない」という雰囲気が流れたら、その時が買い時かもしれません。
テナントが家賃を滞納した際に、賃貸借契約を解除してテナントを退去させられるか?について解説した記事もございますので、よろしければご覧ください。
(参考記事)【新型コロナウイルス法律相談】家賃滞納ですぐ退去させられるのか
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